📖 基本情報
- 著者:ロバートキヨサキ
- 読了日:2025/9/27~10/9
はじめに(この本を手に取ったきっかけと読む目的)
- きっかけ:30歳が近づく中、大きな夢を叶えるために、まずお金の勉強を始めようと思ったこと。
- 本を読む目的1:稼ぎ方の選択肢を増やすこと。
- 本を読む目的2:お金の本質と、お金持ちの考え方を知ること。
本の要約(10ポイントで整理)
- 中流以下はお金のために働き、金持ちはお金を自分のために働かせる
…金持ちになるための前提は、「自分の時間を切り売りして稼ぐ」生き方から脱することだ。つまり、労働所得に依存するのではなく、労働以外で収入を生み出す仕組みを持つことが不可欠である。。 - ラットレースから抜け出すには、感情ではなく頭で考える
…いくら稼いでも支出が増えるだけの「ラットレース」から抜け出すには、恐怖(お金がなくなったらどうしよう)や欲望(もっと良いものが欲しい)といった感情をコントロールすることが大切だ。考える代わりに感情に反応だけするのをやめる。「自分に見えていないものは何か?」と問い、長期的な視点で最善の行動を選ぶ。そして、この感情を増幅させる最大の要因はお金に関する無知である。 - お金の勉強(ファイナンシャルリテラシー)を身につける
…人生で大切なのは「いくら稼げるか」よりも「いかにお金を持ち続けられるか」だ。
そのためにはまず、会計学を中心としたお金の基礎知識を学ぶ必要がある。
損益計算書や賃借対照表を理解し、数字の裏にある物語(キャッシュフロー)を読み取れるようになることが第一歩だ。 - 資産と負債の違いを知る
…資産は収入をもたらし、負債は支出をもたらす。
このシンプルな原則を本当の意味で理解している人は少ない。
多くの人が「資産」と思っているもの(例えばマイホームや車)は、実際には支出を生む負債である。
金持ちは、文字通り「お金を生む資産」だけを買う。 - 自分のビジネスを持つ
…他人のために働き続けるだけでは、真の金持ちにはなれない。
仕事は収入を中心に展開するが、ビジネスは資産を中心に展開する。
自分のビジネスを持つとは、本当の資産を所有し、それを維持・拡大させることだ。
一度手にしたお金を“出ていかない仕組み”に変えることが肝要である。資産に化けた負債や、買った時点で価値が減少する消費財を買ってはいけない。
本当の資産とは、「自分が不在でも収入を生む仕組み」──たとえば株式、債券、不動産、コンテンツなどだ。 - 会社員を続けながら、自分のビジネスを育てる
…起業は誰にでも勧められるものではない。
覚悟が中途半端なら、倒産して終わる。
それよりも、今の仕事を続けながら資産を少しずつ育てていく方が堅実だ。
時間をかけて投資し、自分のビジネス基盤を築くことが大切である。 - 会社を作って節税する
…法人税率は個人所得税率よりも低く、また経費として一部の支出を「税引き前の収入」から差し引くことができる。
これは金持ちが利用する合法的な税法上の最大の抜け道だ。
さらに、その経費を投資に回せば、実質的な負担を減らしながら資産を増やすこともできる。 - ファイナンシャルインテリジェンス(お金の知性)を磨く
…ファイナンシャルインテリジェンスとは、お金に関する包括的な知識であり、「会計力」「投資力」「市場理解力」「法律力」の4つから構成される。中でも「法律力」は節税に直結する重要なスキルだ。税務署という“一番のいじめっ子”から自分を守るための知恵こそ、経済的自立への鍵となる。 - お金を作るのは、実は難しくない
…物を売って富を築くために必要なのは、先の4つの力といくつもの解決方法(選択肢)を考える創造力だ。
チャンスが来ないと嘆く前に、「残り物の景品をどう百万ドルに変えるか」を考えること。
これらを理解し実践していけば、富を築くのは決して難しくない。
逆に、難しいと感じる事業には、そもそも手を出さない勇気も必要だ。 - 成功を高めるのは、頭の良さより“度胸と楽しむ力”
…才能を発揮できない最大の原因は、「自信のなさ」と「恐怖心」だ。
人は誰でも、成功に必要な要素──勇気・才気・大胆さ──のいずれかを持っている。またその逆の性質も。
お金とは、実体のない“人と人の合意”であり、いわばお金を用いた単なるゲームにすぎない。
勝つことも負けることもあるが、どんな時も楽しむことが成功の秘訣である。 - 投資を自分で作り出す投資家になる
…投資家には、出来合いの投資商品を買うタイプと、取引そのものをゼロから設計し、バラバラなチャンスを組み合わせて価値を生み出すタイプがいる。本書が勧めるのは後者だ。そのために必要なのは、
見過ごされたチャンスを発見する力
資金を集める力
優秀な人材を組織する力
である。 - 深く狭くよりも、広く浅く学ぶ
…多くの専門職が努力に見合った収入を得られないのは、
「ビジネス戦略(セールス・マーケティング)」を知らないからだ。
ファイナンシャルIQに加え、これらのスキルも富を築くうえで欠かせない。これらの習得の障壁は失敗と拒否に対する恐怖心だ。
失敗や拒絶への恐怖を克服するには、ネットワークビジネスのように訓練機会が多い環境で学ぶことも有効である。 - お金のためではなく、学ぶために働く
…安定した稼ぎの仕事を見つけるというのは短期的には有利だが、長期的に見ればラットレースまっしぐらで悲惨な手段だ。今毎日やっていること(労働)の行きつく先はどこか?を考えて職を選ぶべきだ。つまり「いくら稼げるか」ではなく「何を学べるか」で仕事を探すべきである。長い目で見ると教育はお金より価値がある。”新しい仕事は大変そう”、”興味がない仕事はしたくない”という人はこう考えよう。人生はスポーツジムに行くのと同じだ。行こうと決心する時が一番辛い。行くと楽しくなるし、終わった後は無理をしてでも来てよかったと思えるだろう。 - お金を失うことの恐怖心をのりこえる
…成功は失敗の先にある。失敗を他責にせず、失敗の感情を糧に頭で考えることを忘れず、失敗をバネにし成功をしに行く。失敗することばかり考えないことが大事だ。負ける人は失敗を避けようとして負ける。 - ”自分にはできない” ”もし思い通りにいかなければ…”などの臆病風に吹かれない
…頭の中や外部からのチキンリトルの声や、根拠のない買い手の後悔に身を任せて臆病風に吹かれるのではなく、きちんと分析をする。臆病な人間は批判をし、勝利を収める人間は分析をする。株式投資であれば損切りを徹底するというのも対策の一つだ。それでも「…は嫌だ」という気持ちで本当に自分がやりたいこと、ほしいものを忘れてしまいそうなときにはカーネルサンダースの勇気と根気を思い出そう。 - 忙しいことを理由に自分の財産に注意を払うことをなまけない
…頭(教育)、健康、家族、お金など真正面から立ち向かわなくてはならない問題を仕事や趣味で忙しいからとこれらに注意を払うことを怠けるのはやめよう。この怠けにつける薬は”欲張り心”だ。「買うお金はない」「~でできない」ではなく、「どうやったら」と欲張ること、それ自体に罪の意識を持たないことが大事だ。なぜなら何をしても、何をしなくてもいずれにせよ非難を受けるのだから。常に自分の心に聞いて正しいことをやるようにしよう。 - 自分への支払いを先に済ませる習慣をつける
…まずは自分の資産(教育を含む)への投資を優先し、他者への支払いは後に回すという習慣をつける。そのプレッシャーをモチベーションに変えることで、お金に関する筋力が鍛えられる。まさに、筋トレのように経済的自律を強化する行為である。 - 自分だけが活用できるお金に関する才能を開花させるためのステップとヒント
「①強い目的意識を持つ精神の力」:お金持ちになりたい理由が確固たるものでなくてはならない。現実に横たわる障害に負けてしまうからだ。
「②毎日自分で道を選ぶ選択する力」:時間やお金をどう使うか、何を学ぶかは毎日選択するべきことであり、すべてで金持ちになる方を選択する。まず選択すべきは教育に投資するとうことだ。
「③友人を慎重に選ぶ協力の力」:友人は多くを学べる人から選ぶ。金持ちからは”お金のこと”を。貧乏や臆病な友人からは”どうしてはいけないか”を学ぶ。注意点としては後者の言うことを聞いてはいけないということだ。なぜなら彼らはチキンリトルなのだから。
「④新しいやり方を次々と仕入れる速習の力」:たくさんの講座に参加し、新しいやり方を次々と仕入れる。手始めとしては大学で開かれるFPや投資の講座が最適だ。ただVUCA時代でもっと大切なのはいかに速く学ぶかだ。なぜならあなたが知っていたことはすぐに時代遅れになるのだから。
「⑤自分に支払いをまず済ませる自制の力」:自分で自分をしっかりコントロールできない人(自己抑制能力が低い)は金持ちになるのをあきらめた方がいい。とにかく「まず自分の資産(教育含む)に対する支払いを済ませる」だ。多数派(チキンリトル)の意見には耳を貸さない。具体的には”1.資産からの収入で分割返済できないような大きな借金はしない” ”2.大きな家やいい車は資産を作ってから” ”3.収入が少ない時でも貯蓄や投資用の資産を取り崩したりしない”
「⑥ブローカーにたっぷり払う忠告の力」:専門分野で自分より優れている人(ここでは弁護士、会計士、ブローカー)をうまく使うこと、そして十分に報酬を与えることは、彼らの手厚い助けや情報提供を得られ、ついてはお金が儲かることにつながるからだ。情報は富を生む。損益対照表の資産の欄に寄与する人にはたっぷり払うのが鉄則だ。
「⑦もとでは必ず取り戻すただで何かを手に入れる力」:元手をいかに早く取り戻すかも大事だがそれ以上に大切なのは元手を回収したあとに手に入る資産だ。(元手を取り戻した後は実質ただで手に入れた資産となる)
「⑧ぜいたく品は資産にかわせる焦点を絞ることの力」:ほしいものがある時、すぐに負債欄を増やしてしまう人は(自己抑制能力が低い)は金持ちになるのはあきらめた方がいい。
そんな時こそ負債欄ではなく、資産欄に焦点を絞って、欲しいという欲望を利用して、お金に関する才能に刺激と動機付けをする。
「⑨ヒーローを持つ神話の力」:自分の目標とするところに近いところにいるヒーローを持つべきだ。彼らは刺激を与えてくれるだけでなく、成そうとしていることが簡単に見えてくるのだ。
「⑩教えよさらば教えられん与えることの力」:何かが足りないとか何かが必要だと感じた時には、まず、それを人に与えることだ。お金、ほほえみ、愛情、友情などを。そうすればそれが増えて帰ってくる。注意点は見返りを期待して下心で与えないことだ。
「⑪買い手を見つけてから売り手を探す」:言い換えると”パイは丸ごと買って分けろ” ”物事を大きく考えろ”ということだ。自分の持っているお金で買える範囲で物を考えないことだ。
「⑫新しいアイディアを仕入れたらそのやり方に従い、一つ一つ手順を踏んでやってみる」:チャンスをつかむためには行動あるのみである。知識の定着や自分にあうあわないは行動して初めてわかるものだ。とにかく新しいアイディアを探して行動あるのみ。
学んだこと・気づいたこと
- 中流以下は負債を買いお金のために働く、金持ちは資産を買い自分のためにお金を働かせるということ
- お金に対しての恐怖、欲望という感情に自分の行動や思考を支配されずに、自分に見えていないことは何かあるんじゃないかと頭で考えて選ばないと、ラットレースからは抜け出せないこと
- 負債と資産の違いを理解し資産を買うということ
- 自分のビジネス(本当の資産)を持つということ
- 自分の管理、人の管理、キャッシュフロー管理の大切さ
- まず自分に支払うという考え方
- 投資とは売るときに利益を得るのではなく買うときに利益を得るものだということ
- リスクの発生は偶然ではなく必然であり、つまりは知らないことから発生するものだということを学んだ。
- 買い手を見つけてから売り手を探すということをすると、自分の持っているお金で買える範囲で物を考えず、物事を大きく見れるということ。
- 好きになれないものは投資対象にはしないということ
- お金持ちになることは単なるゲームであり、何事も楽しんでやらないといけないということ
本書で学ぶべきと言われているもの
- 会計学
- 投資力
- 市場の理解力
- 法律力
- ほかの人が見過ごすチャンスを見つける技術
- 資金を集める技術
- 頭のいい人間を集めて組織する技術
- セールス(専門的)
- マーケティング(専門的)
- リーダシップ力(危険な状況にでも人を引っ張っていく力)
実践したいこと
すぐに実践したいこと
- ファイナンシャルリテラシーの4つの柱を勉強する
- お金の教育に投資する
- 時間やお金をどう使うか、何を学ぶかの毎日の選択を、すべて金持ちになる方という基準で選択する。
- 何かを買うときにこれは負債か資産かを意識する
- 資産からの収入で分割返済できないような大きな借金はしない
時間をかけて実践したいこと
- 資産を買っていく
- マイクロ法人を作る
- 自分の資産欄への支払いを先に済ませるというマインド、習慣をつける
感想・所感・疑問点
感想
- 正直もっと早くに、できれば義務教育が終わるまでに読みたかった本だと感じた。
- よく考えると資本主義、法治国家の現代で資本(お金)、法律の勉強をするのは至極当然なこと。戦国時代では武力国家であり、その時代は武力の鍛錬がもっと多くの人で行われていたはずだ。
- 転職を考えているが、営業(セールス、マーケティングを学ぶため)、経理(会計学を学ぶため)の業種に転職して学ぶのもありだなという考えが芽生えた。本書で具体的に書かれているネットワークビジネスの会社に転職も視野に入れる。
所感
- 会社で働いている中では気づけないことが書かれており、まさに会社員は井の中の蛙だとおもいしらされる一冊だ。前世代にお勧めできる本だが、特にこれから会社員になろうとしている大学生、まとまった給与がもらえ初めて盲目になっている社会人1年目にお勧めしたい。大学生でこれを読んでその通りだと感じれる人ならこれから進む進路を金持ち一直線に舵をきれるためだ。ただその時点では社会人になっても結局貧乏だというリアルに触れていないため心に響かないこともあるだろう、ただそんな人でも社会人1年目にはうっすらそのことに気づけてくる。この時点であればまだ舵を切りやすいためこのタイミングまでに読んでおくことをお勧めする。
- アメリカの本ということもあり、アメリカンジョークも交えてわかりやすく説明されているが、逆に遠回しな言い方になっており理解できない箇所も見受けられた。
