- 著者:ロバート・キヨサキ
- 読了日:2025/10/14~10/29
はじめに(この本を手に取ったきっかけと読む目的)
金持ち父さん・貧乏父さんを読んだことで著者の思考法に深い関心を抱き、第2作目である本書を手に取った。
目的は、金持ちになるための思考や行動・著者のお金に対する見識・キャリア選択のヒントを得ること。
本の要約(10ポイントで整理)
- 4種類のキャッシュフローから自分の道を選ぶ
…収入の得方はE・S・B・Iの4つ。左側(E・S)は成功で時間が減り税金が増える。右側(B・I)は成功で時間が増え税金が減る。優劣はなく、考え方の収入元の違いである。 - お金や学歴より大事なのは「決意と学ぶ意欲」
…必要なのは夢と意志、短期間で学ぶ姿勢。筆者もホームレスから成功しており、精神的・感情的な成長が何より重要。 - 年金制度の変化がI時代の幕開け
…拠出型年金の導入で、全員が投資家(I)の世界に参加している。
Iに移ることがリスクではない、無知なままIでいることこそリスクだ。
情報時代ではIになるための技術や心構えを学ぶことは必須だ。 - クワドラントを変えるには「考え方」を変える
…各クワドラントではお金を失うこと、失敗の恐怖への反応が違う。
移動には、行動よりもまず思考と自分の本質の転換が必要。 - 仕事に安定を求めず、経済的安定以上を求める
①仕事に安定を求めるパターン(経済的不安定な左側のみ)
②経済的安定パターン(右側と左側に足場を持っている)
③経済的自由パターン(右側のみで他人やお金が自分のために働く)
学校教育で①を刷り込まれたが、目指すべきは②か③。 - B→Iが成功への最短ルート
…Iで成功するチャンスが増えるからだ。
Iの成功には、ビジネスシステムの目利き力、十分な資本、学ぶ時間が必要であり、Bで成功することでそれらが手に入るからだ。 - Bシステムの成功の鍵は[システム]と[中の人間]
…Bのゴールはシステムを所有しそれを動かす人を雇うことにある。
システムとそれを形作る人間どちらに穴があってもいけない。 - Bになる3つの方法と各々の学び方
①自分で作る:自分の夢を達成しているよき師を見つけ学ぶことだ。
②既存のシステムを買う(フランチャイズ)
:SにならずEに徹し、システムについて学ぶ。
③既存システムの一部となる(ネットワークビジネス)
:長年機能しており以下の教育を重視している組織に属し学ぶ。
1.「羞恥心」と「拒否への恐怖心」を克服できる教育。
2.他人の力を最大限に引き出すリーダーになる教育 - 人に任せず自分で投資をする
…預金/債券や専門家任せはリスク大。(インフレ,学べない)
自分で学び、判断し、投資する力が経済的自由を生む。
投資対象より誰が投資するかが重要。 - 他人の資金(借金)を使いこなす
…ファイナンシャル教育により知識と情報を活かせば、資金調達でき元手ゼロで利益を生める。ROIは実のところ情報収益率だ(Return On Information)。資本家として成功するには必須スキル。 - お金は頭でみる(ファイナンシャルリテラシー(以下FR)を使って)
…お金の流れ、取引、投資を噂、感情で判断すると損をする。
頭(FR)を使ってを見ると、事実(数字)が見えてくる。 - 資本主義のゲームの基本は誰が誰に借金をしているか
…借りる人は敗者、貸す人は勝者。借金とリスクを背負うときは「1.支払いをうけるようにする(他人が返済する)」「2.売った時ではなく、買った時から儲けが出るようにする」ことだ。 - お金に関する事実と意見を区別し事実で判断する。
…事実とはお金を媒介とした取引における実際の数字。意見とは他人からの事実に見えるアドバイスだ。分析麻痺に気を付け、常にデューデリジェンスで判断する。 - 移動の鍵は「お金中毒脱出」と「情熱」
…左側を抜けるには中毒を断ち切る覚悟と夢を忘れぬ情熱が必要。
情熱を失えば、元の世界にされる。 - BE(なる)ーDO(する)ーHAVE(持つ)が大事
…経済的自由を手に入れる(HAVE)ためには金持ちと同じことをする(DO)よりも、金持ちと同じ姿勢、信条、考え方ができるような人間になる(BE)方が重要。頭を切り替えよう。 - 感情知性(EQ)を鍛える
…感情は理性を凌駕する。「〜な気がする」は感情。感情に支配されず、勝ち負けに対して常に中立で論理的に判断できる人だけが成功する。内なる対話が鍵を握る。 - 法改正の波に敏感であれ
…制度改正は右側にチャンスと富、左側に絶望と負債をもたらす。歴史から学び、変化を味方にする。経済はサイクルだ。 - 幅広いビジネス感覚を身に着け、銀行そのものになる。
…常に貸す側に回ることがゲーム勝利の秘訣。Bクワドラントで小さくはじめ時間をかけて幅広いビジネス感覚を身に着けることが鍵。 - まずはヨチヨチ歩きから
…大きな目標を立て、小さなステップを達成することから満足感を得れるようにする。やりすぎない人間の心構えをもつ(BE)。行動することはMUSTだが、いきなり大きな一歩を踏み出すとやけどする。
ラットレースから抜け出すための7つのステップ
- 自分のために働くことを考える
個人財務諸表を作り、政府(税金)、ローンの利子(銀行)、会社のオーナー(実際の単価)、小売店(浪費財)のためにあくせく働いていることに気付くことから始める。 - キャッシュフローを管理する
負債は他人の資産、収入は他人の支出、自分のラットレースは、誰かのファーストトラック。まずは借金を減らし、収入内で生活し、自分のキャッシュフローを正常化しよう。 - 本当に危険なのは何なのかを知る
投資が危険なのではなく、無知な投資が危険。
FQ/FRについて学び続けることが大事。 - どんな投資家になりたいか決める
答えを探すより、問題(チャレンジ)を探し解決する投資家になる。お金に関することで困った状況に陥った人たちによって引き起こされた問題を。分散でなく得意な問題を解決するエキスパートになる。 - よき師を見つける
よき師(コーチ)と反面教師をもち両方の師から学ぼう。
毎日そばにいる人がどちらなのかに常に注意を払おう。そして志を同じくする人と多くの時間を共有しよう。よき師(コーチ)として教えを乞う人はそれを達成している人にしよう。 - 失望を成長の糧にする
成功には失望がつきものだが、成功はそれを達成するまでに経験する失望の処理の仕方によって決まる。失望は最大の学びを持つ。常に失望に対して心と頭の準備をしておく。失望の可能性がある場面など(大きな取引)ではよき師に待機していてもらう。 - 自分を信じる
短所にとらわれず、ほかの人とは違う才能があると心から信じよう。
思考からくる言葉に注意を払おう。言葉は鏡だ。
立ち向かうべき敵は自分自身に対する疑いや批判の気持ち、自分の欠点だ。
本書で学ぶべきと言われているもの
- エモーショナルインテリジェンス(感情のコントロール方法)
- 間違いを犯し、リスクをコントロールする方法
- ビジネスシステムに関するインテリジェンス(ビジネスシステムの変数の片割れ)
- ファイナンシャルインテリジェンス
- ファイナンシャルリテラシー
- リーダーシップ[他人の力を最大限引き出す能力](ビジネスシステムの変数の片割れ)
- 断られることに対する恐怖を克服する方法
- 目標設定の方法
- 資本を集める方法、お金を稼ぐために借金を使う方法
- お金に関することでどれが事実でどれが意見かを見極める方法
- 経済の歴史
- 金融、投資、経済について
編集者が学んだこと・気づいたこと
- 目標を達成するには”アクション”よりも”考え方”(つまりはどういう人間になるのか)のほうが大事だということ
- 経済的自由になるための具体的なステップはBクワドラント→Iクワドラントだということ
- 経済的自由という観点では社長になるではなく、社長を雇うとこがゴールなこと
- ビジネスの成功は商品やサービスよりも「システム」と「人」が鍵を握ること
- 資本主義ゲームの基本は「誰が誰にお金を貸しているか」ということ
実践したいこと
すぐに実践したいこと
- ラットレースから抜け出すための7つのステップの1~4
時間をかけて実践したいこと
- ラットレースから抜け出すための7つのステップの5,6
感想・所感・疑問点
感想
- ファイナンシャルリテラシーとファイナンシャルインテリジェンスの違いが曖昧だったが本書を読んで理解できた。
– ファイナンシャルリテラシー:お金に関する数字を目で見て、読みこなす能力
– ファイナンシャルインテリジェンス:4つの柱からなる。総じてお金や労働をキャッシュフローを生む資産に変える能力 - 前作よりも実践的な内容になっていて、経済的自由へのルートがイメージしやすくなった。
- 今までは金持ちだと思っていた人たちは実は中流階級で、財務諸表を書くと実際には貧困層と変わらないということに驚き、世間の金持ちの見方が変わった。
- 間違いなく自分の人生を変える一冊になると感じた
所感
- 失望をバネに変えるのは難しい。編集者は失望をよく人のせいにしてしまう性格で、そんな自分が嫌だと心のどこかで思いながら過ごしてきた。本書を読んではっきりしたが、このままでは経済的にも人間的にも成功することはできない。まずは日々人のせいにしていることに気づきそのたびに、本当は誰のせいで、どうするのが論理的で、ここから何を学べたと自問自答するところから始めようとおもう。
本書内の好きな言葉
- 「落ち着いて、頭をはっきりさせて考えるんだ。先入観を持たず心を開いて前進を続けろ。同じ道を通ったことのある人に相談して意見を求めるんだ。お前を最善の道に導いてくれる力、お前を超えたその力を信じ続けるんだ」
- 「借金をするときはよく考えろ、自分でかえさなければならない借金はできるだけ少額にするんだ。大きな借金をするときは、必ずほかの人が代わりに払ってくれるようにすることだ」
- 「すべてが自分の思い通りにいくと思っているのは愚か者だけだ。起こってほしくないと思っていることが思いがけなく起こるかもしれないから、それに対して心と頭の準備をしておけ。そうすれば、思い通りにいかなくても慌てず落ち着いて行動できる」
